管理人
「LOLの雰囲気を知ってみたい」「味方とトラブルになったことがある」「強くなりたい」このような方におススメの内容となっています!
それでは、どうぞ!
回線落ちベア、他責の咆哮
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確かにアイツは上手かったよ。
回線が落ちるまでは。
これは、一夜のサモナーズリフトで起きた
悲劇と葛藤の物語。
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「主役退場」

試合開始から数分。
味方のジャングラーである
ボリベアは順調だった。
ガンクは刺さる。
オブジェクト判断も悪くない。
その動きは的確で、まさにチームの頼れる存在だ。
「ボリベア生存中」
「ボリベア生存中」
味方からも称賛の嵐。
彼は間違いなく、この試合の主役だった。
――勝ったな。
誰もが思っただろう。
しかし、悲劇は突然訪れる。
試合中盤、バロンバフを持った状態での集団戦。
ボリベアが仕掛け、味方も続こうとした、その瞬間。
“” サモナーが退場しました “”

鳴り響くアナウンスと共に、自陣へ後退するボリベアの姿が、そこにはあった。
いくら有利な状況と言えども、4対5で勝てるほどLOLは甘くない。
1分。
2分。
3分。
画面の向こうでは、刻一刻と試合が進んでいく。
4分。
5分。
6分。
まだ来ない。
味方は4人で戦うことを余儀なくされ、敵は数の有利を活かしマップを支配していく。
10分ほど経った頃だろうか。
ようやくボリベアが帰ってきた。
だが、彼が戻ってきたサモナーズリフトは、もう先ほどまでの戦場ではなかった。
失われたタワー。
奪われたオブジェクト。
広がったゴールド差。
先ほどまで勝利を目指していた味方たちは、必死に敗北を食い止めていた。
5分、あるいは10分。
LOLにおいて、それはあまりにも長い空白だった。
「あの時」
試合はまだ終わっていない。
苦しい展開の中、味方たちは少しずつ態勢を立て直していく。

再び訪れた集団戦。
今度は違う。
5人全員がそろっている。
バロンバフも確保した。
これ以上ない条件だった。
戦いが始まる。
敵が仕掛ける。
味方も応戦する。
互いにスキルが飛び交い、戦場は混沌を極めた。
しかし――。
勝てない。
バロンバフを持ち、5人全員がそろっていたにもかかわらず、味方は敗れた。
「はぁ。。。」
もちろん、私にも原因はあったのだろう。
立ち位置が悪かったのか。
フォーカスがズレたのか。
判断を誤ったのか。
何が正解で、何が間違ってたのか。
そんなことを考える余裕なんて、当時の私には無かった。
ただ、一つだけ頭をよぎる。
「あの時、ボリベアが最初からいたら……」
回線落ちさえなければ。
あの集団戦に、彼がいてくれたら。
結果は違っていたかもしれない。
だが、過ぎたことを考えても仕方がない。
試合はまだ続いている。
そして、ボリベアがチャットを開いた。
「sup gap」
……始まった。
「セラフィーン生存中」
「セラフィーン生存中」
「セラフィーン生存中」
彼の中では、答えは決まっていた。
負けたのは、自分のせいではない。
回線が落ちたのは不運。
試合が苦しくなったのも仕方がない。
集団戦に負けたのも、味方のせい。
彼の中に、自分の判断を疑う余地はなかった。
一方、そのチャットを見つめる私。
「sup gap」
……なるほど。
確かに、あの集団戦で私にもミスはあったのかもしれない。
だが、言わせてほしい。
そもそも、あなたが10分近くいなかった試合を、私たちは4人で必死につないできたのだ。
それでも、誰もあなたを責めなかった。
復帰してからも、何とか勝ち筋を探していた。
そして今。
5人全員がそろい、バロンバフまで持っていた集団戦に負けた。
悔しいのは、私だって同じだった。
「いや、お前が回線落ちしてなかったら……」
喉まで出かかった言葉を、飲み込む。
言い返したところで、何かが変わるわけでもない。
それに、私だって完璧なプレイヤーではない。
自分のミスを棚に上げて相手を責めるのは、彼と同じことなのかもしれない。
だから、黙っていた。
「セラフィーン生存中」
「セラフィーン生存中」
「セラフィーン生存中」
……いや、さすがにそれは違うだろ。
私は何度もチャット欄を開きかけ、そのたびに閉じた。
言い返したい。
でも、言い返せない。
自分にも非があるかもしれない。
けれど、すべての責任を押しつけられる筋合いもない。
そんな葛藤を抱えたまま、私は再び画面に向き直った。
「ミスの在り処」
戦況はすでに傾き始めていた。

味方の連携は崩れ、敵の攻勢は止まらない。
「なんで来ないの?」
誰かが死ぬたび、
そんな声が聞こえてきそうだった。
だが、もう誰も話さなかった。
自陣ネクサス前の最後の集団戦。
私たちは抵抗した。
必死にスキルを撃ち、迫りくる敵を止めようとした。
それでも、届かなかった。
味方が倒れ、ネクサスが破壊される。
敗北。
画面に表示された「DEFEAT」の文字を、
私はただ見つめていた。
悔しかった。
あの回線落ちがなければ。
あの集団戦に勝てていれば。
私がもっと上手く立ち回れていれば。
違う結果になっていたのかもしれない。
そんなことを考えていると、ふと気づいた。
私は最後まで、自分のミスについても考えていた。
一方で、彼は味方のミスばかりを探していた。
どちらが正しかったのかは、分からない。
もちろん、彼も心の中では、自分のミスと向き合っていたのかもしれない。
しかし、それを知ることはできなかった。
それでも、一つだけ確かなことがある。
ボリベアの回線は復旧した。
しかし、チームの信頼が戻ることはなかった。
そして、私の心に残ったのは、敗北そのものよりも――
「sup gap」
あの一言だった。
「next game」
正直、今でも納得はしていない。
けれど、いつまでも引きずっていても仕方がない。

私は深く息を吐き、チャット欄を開いた。
そして、一言だけ打ち込んだ。
「gg」
少しして、ボリベアが反応した。
「gg」
……なんだ、返せるんじゃないか。
そう思った瞬間、少しだけ肩の力が抜けた。
もちろん、これで何もかも解決したわけではない。
彼が自分のミスに気づいたのかも分からないし、
私だって今日のプレイを反省する必要がある。
それでも、試合は終わった。
いつまで悔やんだとしても、過ぎた試合を勝ちに変えることはできない。
ならば、次の試合で勝てばいい。
私は再び、マッチボタンを押した。

十数秒後、マッチングが成立する。
そして、チャンピオン選択画面。
味方のジャングルに表示されたキャラを見て、私は目を疑った。
――ボリベア
思わず笑ってしまった。
どうやら、サモナーズリフトは狭いらしい。
「さっきのボリ?」
すると、一言。
「もう落ちない」
私は返事を打った。
「頼むぞ」
そして、もう一言付け加える。
「sup gap禁止で」
「それは動き次第」
……こいつ。
私は思わず吹き出した。
彼が変わったのかどうかは、まだ分からない。
それでも、さっきまでの重苦しい気持ちは、少しだけ軽くなっていた。
次の試合が始まる。
今度こそ、勝利をつかむために。
そして、
自分自身が納得できるプレイをするために。
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