棒銀戦法の駒組みと攻め方

管理人りゅうや

棒銀とは、2筋の飛車を初期配置のまま動かさず、相手の角頭を攻めていく戦法です。

シンプルな攻めで隙が少ないため、初心者上級者問わず、幅広い層に親しまれている棒銀。

お互いのミスを探り合って差を付ける将棋において、非常に理にかなっていて厄介な戦法です。

そのうえ攻撃力も高く、受けを間違えたら一気に飛車が成りこめるので、使いこなせば腕前アップすること間違いありません。

管理人りゅうや

この記事では、棒銀戦法の基本的な駒組みと攻め方について解説していきます。

それではいきましょう!

棒銀戦法の駒組み

上記は棒銀の基本的な駒組みで、2筋を攻めるために銀を3五、もしくは1五へ上げていきたいです。

実戦ではこのような形を組みつつ、囲いを追加してから攻めていきます。

管理人りゅうや

それではまず、棒銀に合うオススメの囲いを3つ紹介しますね。

カニ囲い

素早く組めるため、急戦に向いている囲い。

この形から様子を見つつ、矢倉へと派生することもできます。

金矢倉

相手も居飛車で攻めてくる場合に有力な囲い。

上、斜めからの攻撃に強く、安定しています。

管理人りゅうや

今回の攻め方解説では、この囲いを使いますよ。

舟囲い

組む手数が短く、対振り飛車で使われる人気の囲い。

横からの攻撃に強く、左美濃囲いや穴熊へと派生していくこともできます。

棒銀戦法の攻め方

まず初めに、棒銀の一番の狙いを紹介します。

局面の手順
▲2六歩→▲2五歩→▲3八銀→▲2七銀→▲2六銀→▲3五銀

相手が棒銀の対策を何もしてこない場合は、上記の動きが理想形です。

3九にいる銀を飛車の縦ラインの攻めに加えて、2筋の突破を狙っていきましょう。

局面の手順
▲2四歩△同歩▲同銀△2三歩▲同銀△同金▲同竜

相手の守り駒とこちらの銀をぶつけ合い、竜をつくることができました。

2筋の突破ができたので、棒銀大成功と言えます。

管理人りゅうや

ここからは棒銀の応用編です。

実戦形式として、相手が矢倉囲いで守っている時の棒銀の攻め方を紹介していきますね。

相手もこちらもガチガチの金矢倉で守っている局面。

棒銀の銀が3五、1五に上がれない状況です。

一見隙が無いように見えますが、実はここで先手が、▲1五歩と突く攻め手があります。

▲1五歩に対して相手は同歩とするが…

ここで先手は▲同銀か▲同香のどちらかの手があります。

駒の価値的に決めるなら▲同香を選びたくなりますが、正解は▲同銀です。

ここからは、▲同銀に対して△同香とするパターンとスルーするパターンを紹介します。

△同香パターン

局面の手順
▲同銀△同香▲同香

銀香交換なので駒損して不利に思われるかもしれません。

しかし、相手の1筋がガラ空きになり、今にも角が成りこんで行けそうな形になりました。

ここで相手は1三の地点を守るために△1二歩と打ちますが、手に入れた香車を加勢させれば解決です。

あえて1七に香車を浮かして打つことで、局面次第で1八に飛車も加勢できるようにしています。

相手からしたら地獄ですね(笑)

これ以上相手が1三の地点を守る手は△1三銀と打つ手しかありません。

しかし、△1三銀に対しては▲1四歩と打つことで、歩で銀を取れちゃいますね。

ですが、△1三銀以外の手をしてしまうと、1筋の攻めが成立してしまいます。

例えば1二の地点を補強するために△1一銀と打ってしまうと…

局面の手順
△1一銀▲1三歩△同歩▲同香成△同桂▲同香成△3一玉▲1二歩

このように1筋が突破できたうえに、△1二歩で銀を無理やり取ることもできます。

最後に香車で取るのではなく、角で取って馬をつくりながら王手をかける手も良さそうですね。


ちなみにですが、△1二に歩を打つのではなく△1三に打ち、その後△1二銀と打った場合も、△1八飛車と指し1筋に攻めを集中させれば、先ほどと同じように1筋を突破できます。

さらにこの局面、相手が素直に成駒を取り返してきた場合は、相手玉の詰みになります。

詰みの手順
▲1三香成△同桂▲同香成△同銀▲同角成△2一玉▲1二銀 までで詰み

3一には馬が利いているので、これ以上逃げられません。

スルーするパターン

局面を戻し、▲1五歩△同歩▲同銀とした時に△同香ではなく、スルーした場合の攻め方も紹介します。

局面の手順
△1三歩▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同角△同角▲同飛車

矢倉を攻め切ることはできませんでしたが、相手の守り駒とこちらの攻め駒を交換することができ、棒銀成功と言えます。

なぜなら、将棋において攻め駒と守り駒を交換することは、基本的に攻め駒を交換できた側の得になるからです。

管理人りゅうや

守り側は玉に隙ができないよう、持ち駒の歩や銀を打たないといけない事に対して、攻め側は交換した駒を自由に打てますね。

この差は意外と大きいです。